『卒業193・夏見峠・3ht-D、Fm
(西山讃歌)』
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2014/06/24創曲詞
緑夏の原越えて峠の中林に
立つ一際目立つ赤い屋根の家の
風見鶏が見る 黄色い風
どこからそよ吹く潮の匂い
遠い昔の懐かし
忘れていたあの頃の思い出
奥に小さくある。
字のほうぼうで、腹を横に書く。:植柳靡風
かいきょうのそうきょうはよい日です。
そうきょうのよい自分です。
音 階 表 http://otoko.org/34htonkai.html
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風見鶏 黄風来たる 目を開き
時を告げては 回りいなく
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秋残り市立美術館緑夏期展示
『紅家』
田尾 越す(田 興す)画良
***サメ サメ サメ サメ サメ サメ サメ サメ***
添付作文
余は田を起こしていた。足に雑草がからむ、
力強く、土をほり起こす。眼前の草木、緑々として、
陽を仰ぎ見る。いくばくかの時間が過ぎ、休憩をとろうと
木陰に涼を得た。額に流れる汗をタオルでぬぐう。
心も休まる労働の一合間である。吹き来たる風のそよぎ、
心地良きを感ず。
少しすると、前が俄か暗くなった。山の中ほどより
黄色い風がこちらへ向かっている。 山を越してきたので
あろうか。段々大きくなり、潮の匂いもしてきた。
その風の少し手前、余に大きく手を振る人がいる。
余が田を起こしている時から、タオを越してきたので
あろう。余が起こした田を越えて、余の前に姿を現した。
余が言う。 『後ろに黄色い風がついてきているヨ。』
後ろを振り返り、
『君、知らずや、黄風、吾に随いて、
タオを越す。我が眼前、田を起こす人有り。ここに
至りて友を見る。タオの友』と、言う。
若い人である。余にくれた一文である。
田尾 麓の夏見峠の懐かしい一話である。
余、注。峠のことをタオという。『撓』と書く。
挿絵は、田起こしながらの、伝記作家(田 起 氏)である。
『秋残り世界文学全集』
巻1--余は機械である--より